脳の異常

ホルモン物質の影響と脳の障害

女性の体は、脳・卵巣・子宮それぞれから分泌されるホルモン物質がとても綿密な仕組みで作用し合っています。例えば、卵巣で健康で正常な受精機能を持った卵子を作るのも、それを排卵するのもホルモン物質がコントロールしていますし、そのホルモン物質の分泌を促したり、抑えたり、コントロールしているのは間脳や脳下垂体の役割です。
そのため、脳に異常があることで排卵障害を引き起こし、不妊の原因の一つになっているケースは、卵管障害に続いて女性の不妊患者に多くみられます。


ホルモン物質の種類と特徴

卵胞刺激ホルモン(FSH)

月経3〜4日目頃、卵胞気に入る頃に脳下垂体から分泌される物質で、卵子の元となる卵巣内の原始卵胞に刺激を与えて発育をうながす働きがあります。卵巣の機能が低下するとFSHの値は高くなる傾向があります。

黄体化ホルモン(LH)

排卵が近くなる時期に脳下垂体から分泌されます。FSHによって成熟した卵胞に作用して排卵を起こす働きと、排卵後の卵胞細胞を黄体に変化させ黄体ホルモンを分泌させる働きがあります。

性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)

GnRHは間脳から分泌されると血管をつかって下垂体へ下りていきます。間脳から分泌されたGnRHが脳下垂体へ到着すると、その刺激により脳下垂体からFSHとLHが分泌されます。

エストロゲン(E)

月経ではがれた子宮内膜を再び増殖させる作用がある物質で、卵巣内の卵胞がFSHの刺激を受けることで発達すると、その卵胞から分泌されます。排卵の前に分泌量はピークになり、血中のエストロゲン濃度が一定量を超える事で脳下垂体からLHが大量に分泌されます。

プロゲステロン(P)

排卵後の卵胞組織が黄体に変化することで大量に分泌される物質で、子宮内を着床しやすい状態に整え妊娠を維持する為の働きがあります。
排卵後から次の月経までの間分泌され続ける為、排卵後は基礎体温が上昇します。

不妊に関連した脳の障害

間脳排卵障害

間脳に異常が起こると、性腺刺激ホルモンの分泌が正常に行われなくなることで、無排卵にケースが多くみられます。間脳の異常で無排卵になっても月経は起きていることが多く、基礎体温の記録をしていない場合には長期間異常が起きていることに気が付かない場合もあります。
そのまま状態が改善されず、月経が止まり無月経となってはじめて気付くという人もいます。
無排卵の原因が間脳に異常がある場合には、プロゲステロンテスト等を行うと解ります。


脳下垂体排卵障害

脳下垂体はFSHやLHの分泌コントロールだけでなく、甲状腺ホルモンや成長ホルモン、プロラクチン副腎皮質刺激ホルモン、抗利尿ホルモン等の分泌も行っているコントロールセンターのような場所です。
そのため、脳下垂体に異常が起こっているとすべてのホルモン物質が減少してしまいますが、中でもFSHとLHだけが他のものよりも大きく減少してしまう傾向があります。そのため、卵胞が育たなかったり排卵が起こらないという不妊原因を生み出すことにつながります。



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