精子形成異常

停留睾丸/睾丸委縮/精索静脈瘤/奇形精子症/精子死滅症

子供を望む男性が持っている可能性の高い不妊原因なかでも、一番多いのが、精子の異常や作る過程に起こる障害によるものです。
男性が体内で精子を作るメカニズムは女性と同じように繊細でとても複雑ですが、女性が体内で卵子を作る過程でみられる月経のような現象はありません。そのため、自分では全く関係ないと思っているようなことや過去の体調変化や疾患も要因になっている場合が多くあるのに、異常があっても検査を受けなければ見つからない事が多いのです。


精子形成異常

停留睾丸
(潜伏睾丸)

生まれたときに体内から陰嚢へ下がってくるはずの睾丸(精巣)が体内に残ってしまっている状態です。精祖細胞・精子は体温より低い温度が適温で、睾丸内に収まっているときは34度前後に保たれています。しかし、停留睾丸になっていると、常に体温で精巣が温められてしまうため、精子の活動能力や受精能力が低下してしまします。
赤ちゃんや幼児等の時に治療を行えば問題はありませんが、成人してからだと精巣が正常に機能しなくなっていて、”精子死滅症”等が下人の不妊症になっている可能性が高くなります。


睾丸委縮

睾丸の大きさが通常より極端に小さいという造成機能障害です。一般的に精巣の大きさ(陰嚢内の睾丸の大きさ)は、精子を作る能力や機能の高さに比例しているといわれています。精巣の大きさは人それぞれ違いますが、正常な受精能力を持った精子を十分な量作ることができる基準の大きさより極端に小さい場合には、精巣の持つ能力と機能が正常であるかを調べる必要があります。


精索静脈瘤

陰嚢内の精巣から伸びている精索の中には精索動脈・精索静脈というツタ状の血管があります。この精索静脈が何らかの理由で異常に歪んでいたり、拡張してしまっていると腎静脈の血液が精索静脈へ逆流し、血管内で静脈瘤ができる事があります。静脈瘤ができると陰嚢内の温度が上がってしまったり、成熟に必要な養分や不要な物質の排出が正常に行われず、造精能力が低下してしまいます。
男性不妊の中でも、この精索静脈瘤が見つかるケースは4割程度と高く、さらに80%程度が左精索で起こっています。


奇形精子症

  • 頭部が異常に大きい
  • 頭部が異常に小さい
  • 頭部が2つ以上に分かれている
  • 尾部が2つ以上に分かれている

このように遺伝情報の詰まった頭部や運動する為の尾部が、正常な精子とは違った形態をしている奇形のものがあります。これらは、運動能力が低いものや受精能力が低いもの、着床・妊娠率の低いものがほとんどです。一定量の性液中にある精子の中に、奇形精子が70%以上含まれていると”奇形精子症”と判断されます。
また、数は十分であっても、自ら卵子の元までたどり着けず受精もしにくいのであれば自然妊娠は大変困難です。


精子死滅症

射精された精液の中に存在する精子のほとんどが、しんでしまっている状態の場合、”精子死滅症”の可能性が高いと考えられます。濃度や量には問題はなくても、射精された段階でほとんどが生存していない状態になるのはなぜでしょうか? その原因は、精子の元となる精祖細胞に異常がある、精巣上体からの分泌物に異常がある等、が考えられますが、ハッキリと解明されていません。射精された精液内の精子がほとんど生存していなくても、精巣内で正常な精子を採取することができれば、顕微鏡受精を行うことは可能です。



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