人工授精

人工授精の特徴と成功率、AIH・AIDの説明と方法

自然妊娠では卵子の元へ精子は自らの力でたどり着きます。しかし、何らかの問題があって精子が卵子の元へたどり着けない、という不妊症の場合に行われる治療方法のひとつです。不妊の原因となっている問題点を迂回するように避けて妊娠の手助けをする治療方法なので、迂回治療と呼ばれます。
一般的な性交では妊娠するのが難しい場合に適用されます。


人工授精という不妊治療

人工授精と体外受精は違う

人工的に精子を子宮内へ送り込むのが人工授精で、精子と卵子を体外へ取り出して受精させ、受精卵を子宮へ送り届けるのが体外受精です。この2つは受精を行うのは精子と卵子自らの能力と力です。この点については同じですが、人工授精では人間が手伝うのは精子の移動のみで、卵子が受精の場である卵管まで移動する過程には人間が手を加える事はありません。
精路障害や造精異常、性交障害等が不妊の原因になっている場合に行われます。

特徴とメリット

女性の負担が大きくなりやすい不妊治療ですが、人工授精では女性が痛み等を感じることなく受ける事が出来、排卵誘発剤を使用していない場合であれば卵子や卵巣にもほとんど負担はかかりません。そのため、希望すれば何度も繰り返し受ける事が可能です。
しかし、この不妊治療は保険の適用外になってしまうため、一回の料金がかなり高額になってしまいます。また、人工授精を行うまでに必要な各種の検査でもほとんどが保険適用外であるため、金銭的な回数制限がかかってしまうケースが多いようです。

成功率

人工授精治療を受ける事を考えた時に気になるのは、どのくらいの確率で妊娠するのかという成功率です。
日本で行われるAIHの成功率は平均すると20〜40%といわれていますが、女性の年齢や精子濃度、精子の運動率等によってもかなりの差があります。一般的には1回のAIHで妊娠する確率は20〜30%といわれていますので、数回繰り返した方が成功率は上がるかもしれません。
また、病院の実績にもかなりの差があるようですが、実績や成功率のデータを公開していないところも多くいようです。

人工授精の種類とその解説

AIH(配偶者間人工授精)

不妊治療を受ける夫婦の男性側の造精能力に問題があったり、精路に異常があっても受精能力を持った精子が少なからず作られていれば、それを使って人工授精を行うことができます。
この場合の人工授精では、法律上婚姻している男女間で行われる為、人工授精を表すAIの後に「Husband(夫)」のHを付けたAIHという名前で呼ばれています。
AIHが行われるのは、男性側に性交障害や精路障害、乏精子症、精子減少症、精子無力症等の問題があり、女性側は妊娠・出産が可能な状態であることが条件となります。

AID(非配偶者間人工授精)

子供を望む夫婦で不妊治療を受けた結果、男性が精子を作る能力のない無精子症や正常では妊娠が不可能と判断される精子死滅症、無精液症、絶対精子減少症、と診断された場合に受ける事が可能となります。
精子は夫婦とは関係のない他人の精子を受精させて子供を作る為、AIの後に「Donor(提供者)」のDが付いたAIDと呼ばれます。提供される精子は、受精能力のあるものかどうかを検査されたものですが、夫婦でこの治療を望んだとしても適用される為にはいくつかの厳しい条件をクリアする必要があります。

人工授精の方法

排卵日を予測

女性の排卵日を予測します。基本的には基礎体温やエコー、LH検査等によってできるだけ正確な排卵日を特定します。
排卵障害や卵管障害等がある場合には、排卵誘発剤を使ったり、卵管疎通治療などを受けて卵子が卵管を通る事が出来るような不妊治療も並行して行われます。

採精する

男性は人工授精を行う当日に精液を採取します。
自力で射精する事が出来る場合には、マスターベーション等によって滅菌されたケースに精液を入れます。しかし、射精が困難だったり量が少ない場合などには睾丸から直接精子を摘出するTESEという方法がとられることもあります。

精子を濃縮・注入

採取された精液は、30分ほどおいてから必要であれば洗浄を行い、受精しやすいように濃縮処理やパーコール法等の処理が施されます。濃縮された精液を人工授精用の注入器を使って、女性の子宮腔内に注入します。受精直後はやや腰を高くした状態で横になったまま安静にしておきます。


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