排卵誘発剤・ホルモン治療薬

薬の種類と解説

女性の不妊原因として卵管障害の次に多い排卵障害は、生殖機能や脳下垂体など様々な異常が関係しています。その為、不妊治療といってもみんな同じ薬や治療方法で効果があるわけではありません。
そのため、排卵機能を回復させる為の排卵誘発剤を使った投薬治療では、原因を改善できる薬を選択する必要があります。また、薬には副作用が現れやすいものもあります。
ですから、自分の不妊の原因や、何を改善する治療が行われているか、薬の効果や副作用についてきちんと把握しておくことが大切です。


排卵誘発剤

クロミフェン
(クロミッド)

不妊治療の初期段階から使用される最も一般的な排卵誘発剤で、一般的には飲み薬として処方されます。GnRHの分泌を促す作用があるため排卵を促す効果があります。排卵率は60〜80%と高いのですが、妊娠率はあまり高くありません。これは長期間使用することで頸管粘液の分泌量が低下してしまうという副作用があるためです。
そのため、一定期間クロミフェンを使った治療を行っても排卵がみられなかった場合には薬の種類や治療方法を切り替えます。


シクロフェニル

クロミフェンと同じようにGnRHの分泌を改善する為の薬で、これも飲み薬として処方されるのが一般的です。クロミフェンより排卵率は低めですが、頸管粘液の分泌量が低下したり子宮内膜が薄くなったりという副作用はほとんどありません。そのため、軽度の排卵障害がある人に有効的です。


hMG
(ヒト閉経ゴナドロピン)

閉経後の女性の尿から抽出されるLH・FSHの2種類を合わせた薬で、注射薬として使われます。卵巣に直接働きかけて卵胞細胞の成長を促す働きがあります。
しかし、この薬とhCGを組み合わせたhMG-hCG療法(ゴナドロピン療法)では、双子等の多胎妊娠や卵巣過剰刺激症候群(OHSS)が起こりやすくなるという副作用があります。
そのため、hMGの投与量を少ない所から徐々に増やして投与する”低用量漸増法”という副作用の現れにくい治療方法を選択される場合もあります。


hCG
(ヒト絨毛性ゴナドロピン)

hMGと同じく、閉経下女性の尿から抽出される薬で、成熟した卵胞に働きかけ排卵を促す作用があります。hMGと組み合わせてhMG-hCG療法で使用されることが多い注射薬です。
また副作用についてもhMGと同じく多胎妊娠やOHSSが起こりやすい事から、低用量からの使用が可能な場合には、治療方法の進め方を医師と相談すると良いでしょう。


ホルモン治療薬

エストロゲン製剤

通常、卵巣から分泌される卵胞ホルモンですが、足りなくなると卵胞の発育が低下し成熟できなくなります。そのため、無排卵になったり未熟な卵子のまま卵胞から排出されてしまう、卵巣機能による排卵障害の改善にエストロゲン製剤の投与が行われます。そのほかにも、高プロラクチン血症の治療や機能性出血、更年期障害の治療にも使われます。


プロゲステロン製剤

卵巣内の黄体から分泌される黄体ホルモンで、妊娠状態を維持したり子宮内膜の育成にさようしたりしています。不妊治療ではエストロゲン製剤と一緒に使われたり、初めから合剤として処方される場合もあります。
エストロゲン・プロゲステロン製剤の使用ではともに、胃腸障害や頭痛、まれに肝障害等の副作用がみられることもあります。


ドーパミン作動薬

高プラクチン血症による無排卵などの治療を行う場合に、ドーパミンの作用を持つブロモクリプチンやカベルゴリン、テルグリド等といった薬を使った治療が行われます。これらのドーパミン作用のある薬は、脳下垂体からプロラクチンが分泌されるのを抑制し排卵機能を改善する作用があります。通常、高プラクチン血症の場合、ドーパミン動作薬を2カ月程度続けて服用すると排卵が回復します。



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