不妊治療の流れ(排卵〜採卵・採精)

病院での流れ前編

妊娠出産するまでの過程は、すべて連動しています。ですから、どこか一部分に異常があっても駄目ですし、それぞれが正常に機能していてもお互いの作用がつながることができなければ妊娠する事ができません。そこで、不妊治療では異常が起きている部分や各過程が連動していない部分を、医療技術を使って改善したり補ったりして妊娠の手助けをします。
よって受ける側もどのように治療が行われていくのか知っておくことが必要となります。


卵子を育てる

男性女性の細胞だった精子と卵子を受精させるためには、質の良い卵子を育て排出する事が重要です。検査後にこの過程に問題があるとわかった場合には、受精機能をもった卵子が自然に排出されるような治療を行います。

卵胞の育成

質の良い卵子と精子を育てる事が不妊治療の最も重要なポイントといえるかもしれません。その為、卵巣機能や脳の働きを検査し、十分に卵胞が発育されるように投薬治療が行われます。これは、人工授精・体外受精・顕微鏡受精でもとても重要な過程になります。
卵胞を育てるために処方される薬には、クロミッド(クロミフェン)・シクロフェニル・hMG製剤・hCG製剤等があります。
卵胞がきちんと発育しているかどうか、排卵までの間定期的にエコーなどで確認します。

排卵

実際に周期的に排卵が起きているかは、基礎体温や血液検査などでだいたい知ることが可能です。もし、排卵が起こっているのに妊娠しなり期間が長い場合には、卵管障害や未熟な卵子の発育不足等の原因が考えられます。また、排卵後の卵巣内で黄体が形成されていないと、子宮内膜の発達が不十分で受精した後でも着床できません。そのため、排卵を促す治療の他に、黄体の形成を補助する為の治療、卵管の疎通状態を良くする為の治療も行われます。

精子を育てる

昔に比べ、精子の数が少ない男性がとても多くなっているといわれています。精子はXY染色体をもつとても精巧でデリケートな細胞です。精子や精路に異常が起きる事も多いのですが自覚症状がほとんどない為なかなか気付かれません。質の良い精子を育てる、という意識を持って日常生活や治療を行いましょう。

造精機能の治療

自然に精子を作る事が出来ていても、数が少ない、運動能力が低い、受精能力が低い、等の場合には十分に受精できる精子を作る為の治療が行われます。
造精機能を回復させるホルモン治療がメインとなりますが、日常生活の中でも造精機能を阻害するような長風呂や体に密着するタイプの服は着ないようにすることも大切です。
精子の元となる精祖細胞が受精能力を持った精子になるまでには約3カ月の時間がかかります。女性が卵胞を育てるより長い時間がかかることを念頭に置いて早めに治療を開始しましょう。

採精

精子の運動能力や射精能力が低い場合には自然妊娠が困難になるため、何らかの方法で精子を採取する必要があります。射精能力があり精路にも問題がない場合には、マスターベーションで採精します。
人工授精の場合には、採精後洗浄等の処理を行いすぐに女性の子宮内へ注入します。
また、精子は正常に作られていても、精路障害があり射精では十分な精子が採取できないケースもあります。精路の疎通を改善する治療を行っても妊娠が可能なレベルに改善しない場合には、TESE等の方法で睾丸から直接精子を採取します。

人工授精を行う

精子の処理

採精した精液は粘度が強い為30分ほど常温でおき、液化したところで遠心分離にかけ洗浄処理を行います。その中に含まれる精子の中で、運動能力の低いものや異常精子ではない質の良い精子のみパーコール法等で選別し、受精率を高めるために濃縮します。

子宮への注入

濃縮した精子は専用の注入器を使い子宮内腔に注入されます。精液は0.5〜0.6mlで、子宮の奥から伸びる卵管へと進みやすいように子宮内腔の奥へと注入します。注入後は30分〜1時間程度やや腰を高くした状態で横になったまま安静にしておきます。その後は通常通り帰宅できます。


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